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妊娠初期に子宮がん検診を受ける理由は?

妊娠するとさまざまな検査を受ける必要があり、その1つに子宮がん検診が挙げられます。ここでは、妊娠初期に子宮がん検診を受ける理由について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

子宮がん検診について

子宮がん検診とは、女性特有の病気である「子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)」のリスクの発見を目的としています。

子宮がんは、がんの部位別死亡数の第8位(2016年)という結果が出ています。検診を受けて早期発見していくことは、本人や家族だけではなく、社会的にも大きな意味があるのです。

前述の通り、子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類があり、部位や診断方法に違いがあります。そのため、子宮がん検診では、子宮頸部細胞診・子宮体部(内膜)細胞診・HPV検査(子宮頸がんの原因となるHPV感染を調べる)・経膣超音波(エコー)検査などが実施されるのが特徴です。

妊娠初期に子宮がん検診を受ける理由

妊娠初期の妊婦健診で子宮がん検診が行われますが「なぜこのタイミングで検査をするの?」と気になっている方もいるでしょう。それは、子宮がんは20~30代の罹患率が高いとされているからです。妊娠すると、子宮の入り口が柔らかくて、出血しやすい状態になります。

徐々に正確な診断がしにくくなるため、妊娠初期のうちに全員が検査を受けることになっているのです。また、子宮がんは非常にゆっくりなペースで進み、前がん状態とされる段階から進行している状態になるまでに2~3年かかるとされています。妊娠や出産、子育てに入ると、なかなか検査を受ける時間がなくなることも考慮し、検査を行うのです。

将来の妊娠・出産に関わる子宮がん検診

がんを発症してしまっても、狭い範囲にとどまり一定の条件を満たす場合、妊娠・出産に必要な機能を残して治療が可能です。妊娠の可能性を残す治療が適応となっているのは、以下の条件のどちらかを満たしている必要があります。

  • 子宮頸部高度異形成もしくは扁平上皮がんの状態であり、子宮頸部円錐切除術の切り口に見られるがん細胞が陰性
  • ⅠA期またはⅠB1期の状態であり、がんのサイズが2cm以下・骨盤リンパ節への転移なし・ⅠB1期の場合は脈管侵襲なし

上記の条件を満す方は、子宮の一部だけを切除する子宮頸部円錐切除術もしくは、子宮のほとんどを温存する広汎頸部子宮摘出術で子宮の機能を保てると言われています。そのためには、早期発見が重要であり、子宮がん検診をしっかり受ける必要があるのです。

※基準は医療機関によって条件の詳細は異なるため、注意が必要です。

子宮がん検診は毎年受けるべき?

子宮頸がんは一般的にゆっくりなペースで進行するため、前がん状態とされる段階から進行がんになるまでには、2~3年はかかるのが特徴です。子宮頸がん・子宮体がん検診ともにどちらも2年に1回の頻度で問題ないと言われています。 しかし、毎年検診を受ければその分早期発見につながるため、可能であれば毎年受けてもよいと考えられます。

子宮がん検診の内容

子宮がん検診はどのような内容なのか気になる方もいるでしょう。ここでは、子宮がん検診の内容やストレスなく受ける方法、検診を受けられない場合について紹介します。

子宮頸がん検診の内容

市町村が実施する住民検診ならびに、職域検診として、子宮頸がん罹患率減少効果を示す証拠があると言われています。実際の運用方法が確立されている細胞診の実施(2年に1度・20歳以上が対象)が科学的根拠に基づいた検診方法として勧められているのです。

細胞診は、子宮頸部と呼ばれる子宮の入り口部分の先に、ブラシのついた専用の器具を擦って細胞を採取し、顕微鏡で異常な細胞を確認する検査を言います。

※生理中の検査は避けるようにしてください。

万が一、検査で「異常あり」と記載された結果を受け取った場合、必ず精密検査を受けましょう。子宮頸がん検診における精密検査は、コルポスコープ下の組織診や細胞診、HPV検査を組み合わせて行われます。

子宮がん検診が受けられない場合はある?

子宮がん検診が受けらない場合もあります。詳しくは以下をご覧ください。

子宮頸がん検査を受けられない場合

  • 生理中
  • 不正出血が見られる
  • おりものの異常や膣炎の疑いがある

生理中でも検査は受けられますが、正しい結果を得られない可能性があります。膣炎が疑われる場合は、治療後に検査を進められるケースがあります。その他、気になる症状がある場合、検査や治療について医師に相談するようにしましょう。

子宮体がん検診が受けらない場合

  • 妊娠している可能性
  • 生理中

生理周期の影響で、卵巣に腫れが見られるほか、子宮内膜が厚くなっている可能性があります。検診の時期など、気になる点は医師に確認しておくとよいでしょう。

子宮がん検診をなるべくストレスなく受けるには?

一般的には、性交渉の経験や出産経験がない方の場合、違和感が生じやすいとされています。検診や検査の前、問診表に性交渉の経験や出産経験について記載する項目があるため、必ず申告するようにしてください。

身体に力が入った状態だと、器具を挿入したときに違和感が生じやすくなります。力を抜いて、深呼吸を心がけましょう。つい身体がこわばってしまう方は、深呼吸を意識的に行うと力を抜きやすくなります。

子宮頸がん検診に伴う違和感は、ある程度起こりうることです。違和感の強さは、その日の体調や気分、周囲の環境といった要因が影響しています。

深呼吸を心がけたり、女性医師に担当してもらったりしても、強い違和感が生じる可能性があります。そのような場合、あまり深く考え込まないほうがよいでしょう。次回の検診は、違う医療機関を受診するのも1つの手段です。がん検診は病気の早期発見につながる役割を持つため、違和感があるからといっやめてしまうのは、おすすめできません。

検診後、わずかな出血やおりもの増加といった症状が見られる可能性があります。いずれも数日でおさまることが多いとされていますが、長く続くときは受診した医療機関に相談するようにしましょう。

性病検査も妊娠中に確認が必要?

定期的な性病検査が大切

妊娠中に性病に感染してしまうと、自分やパートナーだけではなく、胎児に悪影響をもたらす可能性があります。自覚症状がなくても、定期的な性病検査を受けることが大切です。

母子感染

母親から胎児への感染を母子感染と呼びます。母子感染の感染経路には、赤ちゃんがお腹の中で感染する「胎内感染」、分娩中に産道を通る際に感染する「産道感染」、母乳から感染する「母乳感染」があります。

妊娠中の性病治療は医師の指示に従う

妊娠中に性病感染を治療せずそのままにしてしまうと、症状が進行し、流産や早産、母子感染してしまうリスクがあるのです。妊娠中は胎児への影響を考慮しながら治療を進める必要があるため、性病感染が陽性だった場合は、必ず医師の指示に従うようにしてください。

また、妊娠を計画している女性は、自覚症状がなくてもパートナーと一緒に性病検査を受けておきましょう。予防可能な感染症については、予防接種のワクチンを受けておくのがおすすめです。

※妊娠中(妊娠の可能性も含む)の方は、生ワクチンの予防接種は受けられません。

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